産後のぽっこりお腹を解消する方法

029
「嗚呼・・・お腹のぽっこりがとれない!」
そう嘆く、産後のママさんたちは後を絶ちません。
新しい生命に栄養を与えようと必要以上に食べては後悔し、「ほら、2人分なのだから」と周りの言葉を断れずにまた食べ、「授乳で元の体型に戻るから」の言葉に安心してついつい食べて・・・結局、予定体重をオーバーして、出産を迎えた方は多いことでしょう。
特に、2人目、3人目の出産では代謝が落ちて、以前ほど体重は戻らない、脂肪も落ちないとため息が止まらないようですね。
育児雑誌やサイトでも「産後ダイエット」への質問が多く、また、特集がたびたび組まれるなど、関心の高さが窺えます。

産後、食事量を減らすようなダイエットはできず、目が離せぬ赤ちゃんのために運動に出かけることはかなわず、3時間おきの授乳で寝不足と、脂肪を分解する身体作りからは遠く離れた生活を送っていますから、なかなか妊娠中についてしまった脂肪を落とすことは難しそうです。

筋肉は大事です

脂肪を分解するには、筋肉が大切であると、『ぽっこりお腹の原因』で述べさせていただきました。
また、筋肉の方が脂肪よりもエネルギー消費量が多いと言われます。
実際には、どれぐらいの違いがあるのか、見てみましょう。

ヒトの組織・臓器ごとの基礎代謝量の割合

組織・臓器 エネルギー代謝の比率(%)
骨格筋 22
脂肪組織 4
肝臓 21
20
心臓 9
腎臓 8
その他 16
全身 100

(参考:厚生労働省)

基礎代謝量は、骨格筋で22%、脂肪組織で4%行われます。
つまり、筋肉で行われるエネルギー消費は脂肪の約5倍ということになります。
基礎代謝量を上げるために、筋肉が必要なわけがお分かりになっていただけましたか。
また、筋肉同様、肝臓や脳も基礎代謝量が大きくなっていますので、休肝日を設けて肝臓を強化する、計トレやなぞなぞなどをして脳を活性化するなどの工夫で、基礎代謝がアップすることでしょう。

産後エクササイズ

言うは易し、行うが難しい・・・なぜなら、先ほどの嘆きにもありましたが、とにかく赤ちゃんを抱えての生活では、運動する時間はもちろんのこと、家事を時間があるなら寝ていたいと願うのが現状です。
授乳しながら眠ってしまう、なんて話をよく耳にしますね。
ならば、赤ちゃんへ授乳中に、赤ちゃんをだっこしたまま、運動してしまえばいいのです!

筋肉量を増やす、代謝を上げるというと、腹筋や腕立てといった筋肉トレーニング、ランニングなどの有酸素運動を思い浮かべてしまいます。
たしかに、それらは手っとり早い手段でしょう。
ですが、産後すぐの身体は、まだ十分な回復をしていない上に、待ったなしの授乳で、栄養分も不足している状態です。
現にカルシウム不足、鉄欠乏性貧血のママさんも多く見受けられます。
そんな状態で、ガツガツ運動をしても、かえって身体を痛みつけて、ダメージを与えるだけです。
一番のダメージは、女性ホルモンのバランスが崩れること!
生理が来なくなったり、母乳量が減ったり、太りやすくなったりと、いいことなんてありません。
そこで、産後のママさんへのおすすめするのは、呼吸方法と体幹トレーニングです。

・呼吸方法

ヨガ・気功・武道などに用いられる腹式呼吸です。
肺というよりもお腹に溜めるイメージで、鼻からゆっくり息を吸います。そして、一旦息を留め置いてから、ゆっくり鼻から吐き出します。
授乳している間・・・だいたい20~30分程度続けましょう。
5日ほど体験したら、「息を留め置く」を「お腹に力を入れて10~20秒静止」に切り替えましょう。
これは『ドローイン』といい、大きく息を吸ってお腹を大きく引っ込めるといった呼吸方法を使ったエクササイズで、お腹にぐっと力を入れることで、腹直筋から腹横筋に引き締め、鍛え、内臓を本来の位置へ整えようと働きかけます。
道具もいらず、場所や姿勢を選ばないので、赤ちゃんの授乳中であって簡単にできてしまいます。
また、鼻深呼吸は自己免疫を高めますので、ご自身の力で産後の免疫低下を回復させることや、風邪や膀胱炎などの感染症から身体を守ってくれます。

・体幹トレーニング

043
[なんちゃってスクワット]
赤ちゃんを抱っこしたまま、肩幅に両足を開いて立ちます。
ヒップを真下に落とすように、ゆっくり息を吐きながら膝を曲げます。ぐっとお腹に力が入った時点で10秒ほど静止します。
ゆっくり息を吸いながら上体を元に戻します。
赤ちゃんを支え、上半身が前かがみにならないように、10回×1回を授乳の度に行いましょう。
授乳間隔が空いてきたら、ご自身の食事のタイミングに合わせて、食前に10回×3セット行いましょう。

[なんちゃってヨガ]
床に膝と手のひらをついて、四つん這いになります。
自分の顔の下に赤ちゃんの顔が来るように寝かせます。
ゆっくり息をはきながら、右手の左足が一直線になるようにまっすぐに上げます。
手足がのびきった時に息を止め、お腹に力を入れ、10秒静止します。ゆっくり元に戻しながら、息を吸います。
これを左右10回×1回、授乳の度に行いましょう。
慣れて聞いたら、手足を伸ばした時に、上体を支えている肘を軽く曲げて、ご自身の顔を赤ちゃんの顔に近づけてみましょう。
かなり、きついエクササイズになりますから、ほんのちょっと曲げる程度で大丈夫です。
授乳間隔が空いてきたら、ご自身の食事のタイミングに合わせて、食前に10回×3セット行いましょう。

呼吸や体幹を強化することで、体幹の大きな筋肉量を増やし、心臓や肺の機能を高めることができます。
また、深い呼吸や定期的な運動を行うことで体温を維持することにつながります。

骨盤の矯正

出産で一番変わってしまうのが、骨盤の拡がりです。
妊娠前と変わらない体重に戻ったにも関わらず、パンツやスカートが入らなくなったということはありませんか?
これは骨盤が広がったことでヒップがひっかかり、さらには拡がった骨盤に落ち込んだ内臓が骨盤を元の拡がりに戻さなくしています。
さらには、骨盤が拡がったことで、太腿(大腿部)に隙間が空き、運動不足から脂肪がつきやすくなっています。
お腹にしても同様で、骨盤の上にのっかった腹部(腸管膜)に脂肪がつきやすくなって、『ぽっこりお腹』になってしまうというわけです。
胃も大きく膨らむ余裕を持ってしまうので、食べ過ぎて、脂肪になって・・・と悪循環を招いてしまいます。

産後の骨盤矯正・引き締めには、『骨盤ベルト』や『骨盤ガードル』の使用をおすすめします。
骨盤ベルトはウェストではなく、骨盤の一番出っ張った骨に合わせて装着します。
ガードルは、拡がった状態に戻ろうとする骨盤をとどめておくために、骨盤ベルトを使用し終わった時に用いましょう。
ガードルはお腹まですっぽり覆うものですと、ぽっこりお腹まで引き締めようと働きかけてくれますよ。

せっかく矯正しているのですから、ご自身で骨盤を拡げたり、ゆがめる行動は避けましょう。
授乳時に床にペタンと座らず、椅子やソファに座って行いましょう。
床に座るときに、どうしてもアヒル座りや横座りしやすくなってしまいます。
その姿勢は骨盤をゆがめやすく、また呼吸方法もうまく行えないといった弱点があります。
当然、椅子やソファに座ったときに足を組むこともNGです。
授乳時の抱き方にも注意が必要です。
抱きやすい向きがあるでしょうが、一方に抱きやすさがあるということは、その時点で腰や骨盤がゆがんでいる証拠にほかなりません。
右抱っこしたのなら、次の授乳は左抱っこをしましょう。
身体がそれだけでもバランスをとるようになります。

ほんの『ちょこっと我慢』を

元の体重に戻したい、ぽっこりお腹をどうにかしたいと、どうしても食事にしわ寄せがいきます。
ですが、食べたいものを我慢したり、量を半分に減らしたり、薄い味付けや似たり寄ったりの料理ばかりでは、飽きてしまって長続きしません。
なによりも、ストレスが溜まります。
ただでさえ、子育てというプレッシャーと重労働中です、食べたいものを食べたいだけ、楽しみたいではありませんか。

赤ちゃんを片手に、あるいはいつ起きだすか気にしながらのお食事に、ゆっくり時間をかけるわけにはいかないかもしれません。
ですが、ストレスを溜めないためにも、また消化をしっかり行うためにも、よく噛んで、最低でも20分という食事時間を確保しましょう。
咀嚼回数が増えると、食べ物をよく噛み砕くことで、消化を助けます。
消化されないものは脂肪になりやすいので、できたら、脂肪予備軍を作らないためにも、よく噛むことが必要になるのです。
また、よく噛むことで、次から次へと食べ物を口に放り込むように運ぶ回数を減らすことができます。
さらに、食事を開始して20分を経過すると、脳にある満腹中枢が食事による血糖上昇を感知して、食欲を止めるという作用があります。
つまり、同じ20分という食事時間でも、ゆっくり食べる人に対して早食いの人はより多くの食べ物を体内に取り込んでしまうということなのです。
満腹を感じた時点で腹八分目だとしても、『ちょこっと我慢』で、食べ過ぎを防ぎます。
そのうちに「2人分食べなくては」と妊娠中に大きな風船のように膨らんだ胃が少しずつ小さく小さくなっていき、元の大きさに戻るはずです。

腹八分目に自信がないようであれば、少し大きめの寒冷色の食器に、ちょこんとその時の食事を乗せましょう。
寒冷色の色目の食事は食欲を低下させる効果があります。
小さめのお皿に大盛りにした方が、「たくさん食べた」と脳をだますことができます。
ですが、視覚マジックを使って色目で食欲を落とす、自分はこれだけしか食べないと暗示をかけることも大切です。
お皿がなければ、百均などで、青いランチョンマットを用意してもいいですね。
同じように、甘いものが食べたくても、寒冷色の器やペーパーナフキンに3個から2個に減らしたチョコレートをのせたり、カフェオレにはお砂糖を1杯減らすなど、目で見てしらしめることも大切なのです。

アロマの世界で、柑橘系の香りにダイエット効果や集中力を高める効果があるといわれていますから、食事に集中してよく噛むことを促す、食べすぎを阻止するにはうってつけの香りかもしれません。
アロマオイルやアロマポット、デヒューザーなどがあれば、食事の前や最中に、グレープフルーツやオレンジなどの香りで嗅覚中枢から刺激を受けるなど、活用しましょう。
オイルが手元になければ、生の果物でも大丈夫ですよ。
また、これらの香りをもつ果物は食欲を抑えるばかりか、消化酵素が強く、脂肪やたんぱく質の文化を促進します。
お肉にパイナップルやマンゴーなどを組み合わせるのは、脂肪分を分解して、過剰な吸収を阻止するためなのですね。
酢豚にパイナップル、甘いケーキにオレンジジュース・・・不思議な組み合わせだと思っていましたが、きちんと意味あってのことだということです。
ですから、食事の付け合わせでなくとも、食後にフルーツを食べることも、効果があるということになりますね。
食欲を抑え、脂肪分解を助け、さらにはデザート付!
なんとなく、ご褒美をもらった気になりますね。
ですが、果物は果糖と呼ばれる糖質を多く含みますから、食べすぎは逆効果となります。
オレンジなら1/4カット程度に抑えておきましょう。